卓越な技術力を以って高度なものづくりに臨む

御社の沿革をお聞かせください

当社は今から73年前-1947年に精密板金の製造・加工業として祖父が創業いたしました。

現在も制御盤や操作盤等、箱物を得意とし また、それらに取りつく子部品など大小様々な加工作業を行っております。

創業からしばらくは東京都世田谷区に工場がありましたが、工場の立て直しにあたり、2000年に製造工場を現在の神奈川県座間市に移設いたしました。

  • 家業に入られたきっかけをお聞きします

     

    私は父を早くに亡くしておりまして、創業者である祖父が父親がわりの存在でした。そんな祖父が築いてきた会社を引き継ぐのは幼少の頃より定めなのだと感じていたのかもしれません。学業終了後、同業他社で4年間修行を積み、現場で培ったノウハウは現在も経営に活きていると感じています。

    そうして11年ほど現場での経験を積み、2008年に経営の舵を取るようになりました。

  • 代替わりされた2008年、製造業は特に痛手を被ったと耳にしましたが、その影響はなかったのですか

     

    おおいにありましたよ。わかりやすいくらいに仕事の依頼がピタッと止まり、経営が急速に傾き始めました。

    まもなく会社は解散に近い状態に。しかし自分の周りにいたスタッフや家族に背中を押してもらい、会社の再建を担うべく経営の舵取りを志願したのを覚えております。

    ですから、リーマンショックは私にとって色々な意味で思い出です。

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    景況悪化の状態で、よくご決断されましたね

     

    もちろん不安だらけでした。状況が状況なだけに ほとんど引き継ぎもなく当然ながら会社経営は未経験でしたから、自分にできるのかと不安に苛まれていました。

    けれど、従業員や家族のことを考えれば、とにかくやるしかないという気持ち。

    不退転の心意気を以って経営改革に着手し、経営者として日々勉強しながら社の立て直しに力を尽くしました。

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    当時の努力が結実して、今日を迎えられているのは大変な努力があったとお察しします。

     

    私の力などは何ほどのこともありません。

    苦しい時でも弱音を吐かず日々汗を流して頑張ってくれていたスタッフ、そしてそのスタッフたちを陰日向になって支えてくれたそれぞれの家族。皆が文字通り、一生懸命に仕事と向き合ってくれたからこそ、当社は今日を迎えられているのだと、本当に感謝しています。

    そして、若輩である私の話に耳を貸してくださり、仕事を寄せてくれた取引先の方々にも感謝の念は尽きません。

    周囲の人々に恵まれたことが私にとっては何よりの幸運でした。

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    人に恵まれたのは、社長が真面目に、そして真っ直ぐに仕事に打ち込んでこられたからでしょう。

     

    当時4人で再スタートした際には製造にも携わっておりましたが、現在、スタッフも18人まで増え、現在では管理業務に集中させてもらっております。私が現場に出ることで、スタッフたちが萎縮してしまったり、あるいは業務を奪ってしまったりすることがないように、極力控えているのです。スタッフが自分たちの力で仕事を回していった方が、より成長しますし責任感も強くなる。

    実際に、以前は判断を仰いできたり、ヘルプを要請してきたりと、私の携帯電話が頻繁に鳴っていましたが、最近は多少のトラブルであればスタッフ内で解決してくれます。

    本当に頼もしく感じております。

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    スタッフの皆さんはお若く、一様に精悍な顔つきでした。仕事をされている姿は実に頼もしく見えました。

     

    工作機械の進化に伴いものづくりもオペレーター業務が増えつつありますが、それでも扱っている材料は金属ですし、機械の扱い方次第では常に怪我の危険性があります。ですから作業中とそうでない時間とのメリハリには口を酸っぱくして注意しております。

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    現場に出ることは控えているとのことですが、「現場を熟知している社長」としての強みはどんな場面で生かされますか?

     

    製造の現場で直にものづくりに携わった経験がありますので、少しお話を伺えばお客様の作りたいものがすぐにイメージできますし、コストを下げるための設計方法などもご提案できます。

    既存の商品でも、設計方法を見直せばコストを下げられることもあります。当社のお客様には設計の段階でご相談くださる方もおります。

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    最後に山崎製作所の今後の展望についてお聞かせください。

     

    新型コロナウイルスにより経済が不安定な状況に陥ったいま、多くの企業が大打撃を受けています。

    このような中で私たちの最大の強みは、2008年のリーマンショックという苦境を乗り越え、10年以上の年月をかけて「時代の変化に動じない安定した会社」を作り上げてきたことです。

    おかげさまで2008年以降に採用した若い社員たちが成長し、幅広いニーズに応えるための設備やスタッフを整え、精密板金加工業として盤石の体制を作り上げました。

    これまでは安定した品質の商品を提供するために、数社様とだけお取引をしてまいりましたが、社内体制も確立できたのでお取引先を増やす余裕も生まれました。

    今後も拡大路線ではなく安定路線を貫き、「長く付き合える町工場」としてお客様のものづくりをお手伝いする会社でありたいですね。